【コールマン テーブルランプ ウィチタモデル】
こんにちは。
今回は1930年代後半から1940年代の米国工場製テーブルランプの紹介です。
憶測、個人的な主観も含まれますが・・・
これからランプでも・・と考えている方の少しでも参考になればうれしいです。
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#143 1937年8月
モデル#143 1937年~40年 Instant-Lite ガソリン専用モデルです。
ブラス製の小振りなかわいいタンクです。
直径6インチ、容量は2パイント。およそ15センチ、1リッター弱です。
300cp ・10時間から12時間ほどの燃焼時間。
サンシャインマーク、INSTANT LIGHTING の文字などが記された小さなロゴデカール。
#220系と同じバルブホイールとディレクションディスクが装着されます。
ジェネレーターのクリーニング用レバーが組み込まれています。
使用ジェネレーターは「T44G」。
ポンプ機能はないのでセパレートポンプでの加圧です。
ニッケルメッキの3ピースフィラープラグがタンクと同色に塗装されています。
メッキの下地なので塗装が剥がれやすいようです・・・?
ミキシングチャンバーとバーナー部。
アイボリー基調にゴールドの縁取りが施されます。
1930年代以降のランプに多く見られるカラーリングです。
グローブはPYREX#355。
*ここからモデル#139 ↓ ↓
#139 1941年10月
モデル#139 1941年~46年 戦時期を通じて製造販売されたモデルです。
Instant-Lite ガソリン、ケロシン両用デュアルフューエルモデルです。
6インチ、2パイント、300cp。
デカールです、モデルナンバー ガソリン、ケロシンそれぞれの点火説明などが記されています。
ジェネレーターは使用燃料によってそれぞれ「T44G」「T44K」。
クリーナーが組み込まれたバルブ部。
プレヒートカップが装着されています。
フィラーキャップ。 ブラス素材にくすんだメッキが施されています。
戦争に備えニッケルは統制されたためだと思われます。
経年のためくすんだのではなく最初からくすんだ仕様です、この時代に見られる特徴でもあります。
ポンプ部、差し込むタイプのキャップです、やはりくすんだ仕様です。
バーナー部、この時期はブラス素材を使用していますが、WWⅡが激化する時期は素材が変更されるようです。
同時期のランタン#220系などは多くの部分がスチール素材に変更されました。
アイボリー基調にゴールドの縁取り。
グローブはPYREX#355。
*ここからモデル#152 ↓ ↓
#152 1947年9月
モデル#152 1947年~48年と製造期間は短かったようです。
こちらも Instant-Lite ガソリン及びケロシンの使用できるモデルです。
7インチ、2パイント、300cp。
49年からはガソリン専用に仕様変更されモデル#152Aとして1954年まで製造されますが、このモデルが米国製としては最後のテーブルランプとなります。
#152のデカールです、ガソリン、ケロシンそれぞれの点火方法などが記されています。
#152Aではこのデカールは省略されています。
バルブ部です、”Instant-Lite”モデルですがケロシンも使用できるのでプレヒートカップが装着されています。
プレヒートカップが失われた個体を時々見かけます・・・・
ケロシンを使用しない場合プレヒートカップは必要なく邪魔になるだけですから、ジェネレーター交換の際などに取り外されてしまったのかもしれません・・・・
#152Aはガソリン専用なので最初から装着されていません。
ニッケルメッキのフィラーキャップ。
ポンプ部です、キャップはかぶせるタイプ、スクリュー2箇所での固定です。
ミキシングチャンバー、バーナー部です。
ミキシングチャンバーは、この40年代後期にはプレスタイプとダイキャストタイプが混在しています。
エアインテークチューブはケロシン対応の2箇所の凹みのあるタイプです。
#152Aとは共通では有りませんが互換性はあります。
#152 1947年1月モデルのプレスタイプのミキシングチャンバー。
タンク及びウッドハンドルはアイボリー基調のゴールドのぼかしペイントです。
グローブ PYREX#355。
1948年のカタログ。 パーチメントシェード#139SDを装着しています。
各モデルに共通するパーツ ↓ ↓
グローブホルダーとサポートロッド。
#355グローブの装着には必要パーツ。
インナーグローブを装着することで市販の電気スタンド用のシェードが使えるようになります*。
*すべてのシェードが安全とは言えません、屋外での使用が前提です。
ファイナル。
カナダモデルとは作りが違い、ファイナルナット(下段右短い方)は六角の袋状になっています。
サポートロッドの六角ナットが袋状の内部にはまり込むことで、シェードがクルクル回ることがありません。
ジェネレーター 当時の T44G と、改良型の T44DL ニッケルバージョン。
後年、型番変更され #220E5891 が対応します。
バルブボディ&チップクリーナー
画像はニッケルメッキが施された30年代のものですが、#132A、#143、#139、#152(A)など多くの Instant-Lite ランプと共通です。
(上)長いのが#152用のバルブステムAssyです。 #152Aとはバルブホイールが違います。
(下)短いのは#143、#139用です、やはりバルブホイールの違いだけです。
長さは違いますが互換性があります。
グラファイトパッキン パーツ#118B6201 は今回紹介の全モデルに共通です。
バルブホイール部です。
右の小さなものは#139・#152。
左のディレクションディスクがセットされたものは#143・#152A。
スクリューは共通です。
フューエル&エアチューブ これも”Instant-Lite”系ランプに共通パーツです。
バルブボディも共通な #132A、#133、#143、#139、#152(A) はステムの長さ、バルブホイールなどの違いはありますが互換性があります。
ガソリン、ケロシンの違いのあるエアインテークチューブも含め移植は可能です。
タンク部分(ポンプ系)の違い以外は構造的にほとんど一緒です。
ミキシングチャンバー、バーナーチューブ、バーナーキャップ&スクリーンです。
型番及び形状は変化していますが基本的に#220系と共通パーツです。
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オリジナルのシェードは手に入れるのが非常に困難です。
そこで代替品を探すのですが・・・
サイズ感、バランスの良いシェードはなかなか見つかりません・・・
それでも、地道に探すと何とか使えそうなシェードにめぐり会うこともあります・・・
・・・・シェードが必ず必要なわけではありません。
シェードを使わずグローブのみでも十分雰囲気はあると思います。
やはり1930年代のモデル、#129G・#130G・#134Gなどは最初からシェードを装着しない仕様です。
アンバランスなガラスシェードを装着するよりも、グローブだけの方が雰囲気の良い場合もあります。安定性(安全性)も高いと思います。
ランプ用のグローブは”マントルプロテクター”とも呼ばれ、マントルに向かってダイブして来る虫を防ぐ効果も大きいんですよ。
ガラスシェードのほとんどはマントルむき出しですからね・・・・
1937年 広告より
以前、カナダ製ランプの記事でも紹介しましたが・・・・・
リプロダクトのグローブホルダーと#660グローブ。
グローブ=#635・#639などのグローブ。
#330グローブ=#220系・#290用とサイズは同じなのでどちらでも装着可。
シェードを装着しない場合は#660のフロスト加工されたもの、もしくはアンバーがお勧めです。
グローブホルダーは販売もされていますが、自作もそれほど難しくはないと思います。
グローブホルダーを押さえるスクリュー(ねじ)はフィラーキャップのものが流用できます。
ファイナルが必要でない場合はこれで十分かな?と思います。
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ランタンとはひと味違う夜を演出してくれます・・・・!?
それじゃあ・・また・・・
Forever Young (Slow Version) Bob Dylan
コロナに負けるなっ!!