【 コールマン ランタン 286 ・288・290 】 パート1
こんにちは。
今回は1983年に生産が始まり、誕生から40年を迎えた#286・#288・#290系ランタンの紹介です。
CL系と呼ばれる初期モデルから 、主に90年代頃までの移り変わりを備忘録に記して行きたいと思います。
私は所有していたCL系ランタンのすべてを手放してしまいましたが、手元に残っているパーツ、当時のカタログ、パーツリスト等での考察です。
今回はパート1 ボディ及びバーナー編です。
1984年のカタログがデビューでした。
それぞれ CL1.CL2.CLX と言う愛称を持って発売されます。
モデルナンバーは CL1 #286 ・ CL2 #288 ・ CLX #290
CL= Coleman Lantern の CLだと思われます。
とくに深い意味は無いと言うことのようです。
キャッチコピーは The Ultimate Lantern. ・ 「究極のランタン」・・!
カタログでは「Gold Standard」と謳われているように、全体的に金色を意識した仕上げです。
初期にはフレーム、ベイル、ポンプ部などには黄色味がかったコーティングが施されているようです。
このコーティングは時間が経つと消えてしまうようで、かろうじてポンププランジャー周り にその名残りのあるものを見ることが出来ます。
タンクに貼られるロゴデカール、ボールナット、バルブノブ、カラー(ベースレスト)も「Gold Standard」仕様です。
*当時の「日本コールマン」では #288 (CL2)の取り扱いはありませんでした、国内での#288の販売は91年からです。
CL系の特徴、ベイルハンドルと一体になったフレーム(外フレームと呼ばれます)と独立したベンチレーター。
CLXフレーム パーツNo.290-5301
外フレームはひと目で#220系の血を引くモデルだと分かります。
CL1・CL2もそれぞれが専用のフレームです。
丁寧なメッキ処理が施されています。
随分昔(30年以上前)に購入し、新聞紙にくるんで保管していますが錆びの発生はないようです。
外フレームのCL系は83年後期から85年後期までの正味2年程が生産期間だと思われます。
ベンチレーターです。
右 CL1 ・ CL2 用 パーツNo.288-4851
左 CLX 用 パーツNo.290-4851 CLXのベンチレーターは先代の#220系と形状は同じです。
85年後期頃からはベイルと一体になります。 パーツNo.288-5001
それまでの外フレーム式からバーナーとボトムプレート、ベンチレーターで本体を支えることになります。
この時期にはタンクに貼られるデカールも変化しています。
CL の文字は残りますがツリーマークが省略されます。
フレームとベンチレーターが変更されるタイミングで、モデルナンバーも#286から#286Aと3機種とも「A」モデルに変更されます。
#286A700(先代は#286-700)等と表示されますが、下3桁の数字はこの時代は色を表しています。
700はグリーン(緑色)を表します。ちなみに、レッド(赤)は703です。
ブラウン=710 メッキ=720 ブルー=706 ・・・等々
80年代後期以降ケース付きは 740、スペシャルモデルでは 743 ・ 747 など様々な商品番号(カタログ番号)で表示されます。
米本国ではランタン本体とケースがセットで販売されることは珍しく、限定モデルも含め日本独自の番号のものも多いと思います。
日本仕様では末尾に「J」が記されることもあります。 カナダ仕様では「C」が記されることも。
最近ではモデルナンバーではなく、商品コードで表示されることが多くなりました。
バーナーフレーム式の#286AのCLデカールは85年から86年に掛けての数ヶ月と思います。
この86年初期からロゴデカールのCLの文字が消え、ADJUSTABLE の文字の大きくなる割と見慣れたものになります。
91年頃からベンチレーターの形状が扁平になります、左の尖った感じが#286系旧タイプです。
#290用も変化しますが、いずれもパーツナンバーに変更はありません。
ゴールド色のボールナット。 パーツNo.220-4411
メッキの施されないブラス製です。
このタイプのボールナットには #203-441 #288-441 などの品番があります。
仕上げの違いでパーツナンバーに変化はないようです。
右上にあるのは通常のボールナットです。
86年頃まで装着されると思います。
カラー(ベースレスト)。
左がCL系のゴールド仕様です。 CLX用 パーツNo.290-5291
右は「A」モデルに変更後のカラーです。 #288A用 パーツNo.288B5291
この時代は日本国内で流通するモデルは本国と同じもの、すべて英文仕様でした。
それぞれ機種専用のカラーを装着しています。
80年代も終わりの頃から、国内で流通するモデルは徐々に日本語に変わっていきます。
この過渡期には様々なものが混在しています。
特に赤い#286Aの時期は顕著です。 88年~90年
赤い#286A703 日本コールマンでのカタ番は#286A7035
末尾の「5」が不自然ですね、本当は「J」にしたかったのでは? と勝手に想像しています。
微妙な色の濃淡があります。
同じ製造年月でもカラー(ベースレスト)の表示に違いが見られます。
英語カラー#286A703 #286A700* 半分日本語#286A7035 などが混在しています。
*緑の700 に 703 のカラーを装着したものも結構あるようですが・・・これは通常運転です!?
703 と 7035 の違いはカラー(ベースレスト)だけです。
日本向けのカラー 7035 は製造時期にバラつきが見られるので、輸入後に国内で交換されたのだと思われます。
私、、個人的には全部英語のカラーが好きかな・・・
国内モデルはこれ以降、全部日本語の#286・#288共用のカラーになります。
バルブノブ パーツNo.288-5491
ゴールドポイントが入ったノブです。
CL系は基本的にこれを装着しますが、CL系末期には下記で紹介するノブが装着されています。
85年中期、CL系としては末期そして「A」モデルに移行する頃から長期にわたり装着されるノブです。
この当時のパーツナンバーは上記と同じ #288-5491 でした。
90年代中期以降 #288C1501 にパーツナンバーは変更されています。
スクリューも(-)から(+)の頭に変化します。
ダブルマントル用のバーナーフレームです。
#290・#290A・#295 共通のバーナーAssy パーツNo.290B5341
シングルマントル用のバーナーです。 パーツNo.286B5341
不規則に?バーナーチューブがスチール製だったりブラス製だったりしています。
ミキシングチャンバーのフチが広いタイプ。
ベンチレーターを安定させるためなそうです。
バーナーチューブもですが、ここも統一性の無い部分です。
アンレデッドモデル#282用のバーナー。 パーツNo.282-5341
ミキシングチャンバーのフチが広く、ブラス製のバーナーチューブです。
脱着交換のできるチューブです、このバーナーは#286との互換は可能です。
90年代以降シングルマントル用のバーナーは、ベース部中央に開けられたボルト用の小さな穴によって#200B系とも共通になっています。
ケロシンモデル#214とも似てはいますが、エアインテーク部分に微妙な違いがあるようです。
ケロシンモデルのバーナー部は空気の流量を制限されているものが多いので、#214用も同じく制限されていると思われます。
ガソリンモデルの場合、ジェネレーターをケロシン用に交換しただけでは色々と問題になることがあるのですが(多くは燃料と空気の混合比)、ケロシンモデルではジェネレーターを交換するだけでガソリン運用することは昔から行われています。
古い時代のガソリン、ケロシンの両用モデルはケロシンモデルがベースになることが多いです。
#234・#235・#247 等々は基本ケロシンモデルですが、ジェネレーターを交換することでガソリン運用が可能です、但しガソリン使用時でもプレヒートが必要になります。
カナダ製ケロシンモデル#427Kではジェネレーターを交換することなく両方の燃料で運用が可能でした。
話がそれてしまいましたが・・要は、ケロシンモデル用のバーナーはガソリン用として何も問題ないということです。
交換用チューブ パーツNo.295-6661 ブラス素材です。
パーツNo.290-6661 のスチール素材もあります。
リテイナーセット パーツNo.214A1341
#200B系はブラスチューブとリテイナーがセットになり パーツNo.200-3111
ダブルマントルのバーナーフレームのベース部分の穴は中央部にあります。
*手前に見える小さな長方形の穴はヒートシールドの脚を差し込むための穴です、90年代以降の仕様です。
一方、シングルマントルの穴はオフセットされています。
これはシングルとダブルでは基本構造が違うためです。
ダブルマントルモデルはタンクのバルブ取り付け部分も中央に有ります。
シングルマントルでは、タンクの取り付け部もオフセットされています。
#286と#288では取り付け部が異なるためタンク、バーナーフレームはもちろんバルブ、ヒートシールドも異なります。
ケロシンランタン#214、アンレデッドモデル#282、#200B系のシングルマントルモデルも構造的には#286に準じます。
但し、#200B系はパーツ構成が異なります、さらに日本向け製品と米本国とではバルブ類も異なります。
ボトムプレート 85年後期「A」モデル以降の仕様です。
グローブを保持するスプリングが装備されました。
初期のスプリングは小さめで丸みを帯びていましたが、87年途中から、この角ばった大き目なものに改良されました。
右=パーツNo.290-5401 #290A・#295
左=パーツNo.288-5401 #286A・288A・#282・#285・#214 共用のためバルブ部の四角い穴が2ヶ所開いています。
85年から87年頃の小さなスプリング。
85年中期頃からヒートシールドが装着されます、外フレーム式末期には装着されているようです。
CL系はフューエルチューブが樹脂製なので、熱による変形が発生したためのようです。
私も実際に変形したチューブを何個か見ています。
2本の切れ込みがあるのがシングルマントル用、1本がダブルマントル用です。
パーツNo.286-1151 シングルマントル用
パーツNo.288-1151 ダブルマントル用 #288、#290等と共用です。
スプリングクリップ パーツNo.231A3111
ヒートシールドを固定するためのクリップ。
#201、#214 等のケロシンランタンのプレヒートカップを押さえるためにも装着されています。
Uクリップ パーツNo.288-1251
バーナーフレーム、ボトムプレートをバルブ部と接続するためのクリップ。
CLシリーズ最初期から現在まで変わらずに装着される数少ないパーツです。
#220系最終「K」モデルにも流用可能です。
CL系のポンププランジャーはこの時期独特のつくりです。
スチール製のバックアッププレートとナット部が一体になり「かしめ」られています、ポンプカップはネオプレーン(ゴム)製のみが対応します。
バックアッププレートに直接ポンプカップの穴を広げて捻りながら着脱します。
同時期の「ピークワンストーブ」#400系なども同じ仕様のプランジャーです。
この「かしめ」タイプのメンテナンスキットも販売されています。
パーツNo.216A5091
バックアップレート、レザーカップ用の小さなプッシュオンナットもセットされています。
現在もこのメンテナンスキットは内容物を変更しながらも同じパーツナンバーで販売されています。
「A」モデル以降のプランジャーです。
バックアッププレートの形状が変化し、ポンプカップの固定がプッシュオンナットになりました。
90年頃まで装着されると思います。
90年頃、バックアッププレートがプラスチック製になりました。
間もなく、ポンプキャップがそれまでのアルミ製からプラスチック製に変わります。
プランジャーのスプリングは無いものもありますが、「無意識に引き上げてしまった時」その存在価値を認識します。
91年後期から装着されるこのプラスチックキャップの仕様は最近まで30年程続きました。
93年頃からはタンクに貼られるロゴマークも新しいものになります。
90年代中期、プランジャーの頭(ノブ)部分が一回り小さくなります。 左側です。
この角度のほうが分かりやすいかもしれません。
プッシュオンナット パーツNo.242-1071 大小同じナンバーです。
60年代から70年代のレザー製のポンプカップには小さなナットが装着されていましたが・・・
ネオプレーン(ゴム)製に切り替わる80年代に入る頃からナットも大きくなりました。
古い時代のプランジャーはレザーの厚みの分、バックアッププレートもわずかに小さくなっています。
#288のロゴマークの変遷と主な特徴。
83年後期~85年中期
外フレーム、ゴールド仕様。
85年中期~後期
外フレーム末期のCL2ロゴ。
ヒートシールドの装着・ゴールドポイントの無いノブに。
85年後期~86年初期
ベイル一体ベンチレーター、バーナーフレーム式の「A」モデルに。
ゴールドのボールナットもこの時期までだと思われます。
86年初期~93年
86年中期カラーのデザインが変更されます。(OFF~LOW~HIGH のラインが黒から赤 等)
91年、ベンチレーターの形状変化・ポンププランジャーのキャップがプラスチックに。
私、個人的にはこの91年 尖ったベンチレーター・旧ロゴ・アルミのポンプキャップ この時期までが一つの区切りだと思っています。
93年~
新ロゴ~現在までにボトムプレート及びヒートシールドの構造変更・ベンチレーター形状の再変更・ロゴデカールなど多くの部分が変化しているようです。
*ほぼ全ての時代に特徴の入り混じった個体が多数あります、あくまでも目安です。
*モデルチェンジ後でも余ったパーツがあれば何のためらいも無く組み立てられていきます。
*#286、#290とは変化の過程が異なる部分もあります。
*コールマン製品の製造切り替わりの時期は10月、11月頃が多いようです、記事内の後期というのはおおよそこの時期を指しています。
*完璧な考察ではありません、訂正や追記、削除など気がついた時点で行うこともあると思います。
・
パート1は取り敢えずここまで。。。
次回、パート2 は派生モデルを含めたバルブ周りとその他のパーツを予定しています。
Cortez the Killer Neil Young & Crazy Horse Live
それじゃぁ・また・・
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