2022年03月01日
UCO MightyLite Stove Stand MSR
【UCO マイティライトストーブスタンド MSR】
こんにちは。
今回は1997年米国バックパッカー誌の「エディターズチョイス」に選ばれたUCOのストーブスタンドの紹介です。
MSRストーブ用として96年にリリースされます。
ストーブ及び燃料ボトルを固定することで様々な状況で安定した使用が可能になります。
材質はポリカーボネイトのベースにアノダイズド加工されたアルミプレート*で補強がされています。
*発売当初はアノダイズド加工された航空機用アルミと表示されていました。
日本国内では98年からA&Fさんのカタログに掲載されます。
使用するボトルはあまり大きくないほうが見た目のバランスは良いと思います。
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ここから少しだけ古いボトルのお話・・・・・
この画像のボトルは80年代のMSR・22ozです。
ラミネートフィルムが剥がれたボトルにステッカータイプのインストラクションデカールを貼っています。
MSRのボトルはこの旧タイプのずんぐりとしたシルエットがかわいいですね。
ラミネートモデル(中央)。ブルーのキャップも特徴のひとつです。
左はフィルムを剥がした(剥がれた)ボトルです。
インストラクションデカールは販売時期により形状等に違いがあります。
Siggボトルの使用を標準とした時代のものです。
後期には円形デカールになりました。
MSRが自社のボトルを販売するようになり、ボトル本体にプリントが施されるとデカールは装備されなくなります。
*デカールは1970年代から80年代初期までのストーブに取扱説明書やメンテナンスツール等とともに添付されていました。
このスタンド、ウィスパーライト系に対応しますが短いフューエルラインのストーブがジャストフィットします。
ウィスパーライト系は時代によってラインの長さが違うので装着できないものもあります。
画像上はワイヤーレッグモデルの後期タイプです。
燃料ボトルとレッグの位置が中途半端になりフィットしません。
もっと長いフューエルラインのブタンストーブ「ラピッドファイヤー」には対応します。
カートリッジ(キャニスター)とレッグの位置が絶妙に合うのです。
*Rapidfire ラピッドファイヤーは1988年にリリースされます。
MSR純正、たて型カートリッジ(キャニスター)です。
1980年代末期から90年代にかけてのものです。
販売されていた期間はそれほど長くはなかったと思われますが、ロゴマークに微妙な違いが見られます、この後赤い丸缶に変更されます。
たて型のガス缶は一見カセットガスと思われがちですが、立派な?OD缶です。
現在でも国内メーカーから販売されているものがあります。
UCO「マイティライト」にはウィスパーライト系の #1 。
XGK系用の #2 。
そして98年に追加販売される「ドラゴンフライ」用の #3 があります。
*上画像2枚はネットからお借りしました。
80年代から90年代にかけてはこんな↑ストーブベースもありました。
BPI Stovepad
アルミ製でとても軽量(40g)なうえ対応するストーブも数多くありました。
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UCOのストーブスタンド、販売期間は長くなかったような気がします。
MSRのトリリュウムストーブベースは同ブランドの多くのストーブに対応しますが・・・
使いやすさはこちら(UCO)のほうが良いと感じます。
ストーブと燃料が一体になるのは持ち運び(移動)がとても楽になりますからね!!
それじゃぁ・・また・・・
Machine Gun Jimi Hendrix Band of Gypsys
☮️
2019年04月15日
MSR Whisperlite & International
「MSR ウィスパーライト&ウィスパーライト インターナショナル」
1980年代にリリースされる「ウィスパーライト」。*以下「WL」
販売開始されるのは84年頃からだと思われます。
私のブログでも時々登場していますが、今回は「インターナショナル」*以下「WLI」との比較などを交えじっくりと見ていきたいと思います。
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最初期のモデルは白いフューエルラインのカバーと黄色いポンプが特徴です。
この組み合わせは2~3年ほど続くと思われます。
後にフューエルラインカバーは黒いものに変更になります。
ポンプもグレイになりました。
この黒いカバーの時代まで画像上のようなO型を描くフューエルラインでした。
90年代に入りまもなくメッシュのフューエルラインに変更され、形状もティアドロップ型に変化します。
この過渡期、末期の黒カバーモデルにもティアドロップ型があります。
フレームリフレクターと呼ばれるパーツです。
左から初期、中期、後期(現行)と並んでいます。
三ヶ所に開けられた穴の位置、大きさ、形に変化があります。
左は丸穴の中期、右は三角状に折り曲げられた後期型(現行)の穴です。
中期以降の穴の位置は脚がロックされる溝の延長線上にあります。
初期型は丸穴が小さく位置も不規則です。
白いフューエルラインカバーから黒いカバーの時期に見られます。
三角に折り曲げられた爪はバーナーリングのガイドの役目を担い、リングのズレを最小限におさえてくれます。
90年代「シェイカージェット」に移行してからの仕様と思います。
86年頃「インターナショナル」がリリースされます。 *87年度の新モデルとしてだと思います。
それまでのホワイトガソリンに加えケロシンが使用できるモデルです。
プライミングカップと呼ばれるプレヒートの燃料を溜める皿にウイックと呼ばれるガラス繊維が装着されます。
ケロシン使用時のプレヒートを効率よくするためのものです。
ただし、ケロシンの常用は不向きとの説もあるようです・・・
ジェネレーターチューブのループ部は太く加工されましたが、フューエルライン自体は細いままです。
赤いカバーは90年代に入り金属メッシュに変更されます。*「WL」と同時期と思われます。
この時期だけの『シュッ』としたフューエルラインが私は大好きです。
90年代初期、メッシュのフューエルラインになってまもなくの頃の「WLI」です。
画像では分かりづらいですが、ラインやバーナーキャップ等に初期の特徴が見られます。
「WLI」はジェネレーターループが太くなったためリフレクターの穴が拡大されます。
ここから「WL」「WLI」共通です。
バナーキャップの形状も緩やかな丸みを帯びたものに変更されます。
90年代中期頃まではクッキリとした形状です。
時代によって微妙な変化が見られます。
バナーリング(フレームリング)は波型が4枚、平らなものが3枚交互に装着されます。
93~4年頃シェイカージェットに移行します。 画像はWGモデル。
「WLI」は「WL」より一年ほど早くシェイカージェットを採用しているようです。
「WLI」はシェイカージェットになり自動車用(無鉛)ガソリンも使用できるようになります。
フューエルラインも太くなりケロシン燃料も問題なく燃焼することができるようになりました。
カタログ及び取り説にはジェット燃料も・・と記されていますが・・・・・
この頃の「WLI」は「インターナショナル600」と呼ばれています・・・600って何でしょうね?
シェイカージェット=ジェットの内部にニードルを内蔵し振るだけでクリーニングできる構造です。
それ以前は付属していたニードルでのクリーニングでした。
「WL」シェイカージェットモデル。
グレイ/レッドの2トーンポンプは97年頃~2003年まで装備されます。
このポンプは強度に問題があるようです。
特にバルブコントロール部の亀裂が顕著です。
最悪の場合ポンプ部が火だるまになるので、お持ちの方は要チェックです。
プランジャー固定の爪の折損も良く見るトラブルです。 (上画像も・・)
当時はメーカー対応もありましたが、すでに15年以上経過した現在の対応は・・・???・・・・
MSR社としてはポンプは消耗品という位置づけのようです。
ワイヤータイプの脚を持つ「WLI」の最終型です。
この新型ポンプとの組み合わせは2004年から2011年までです。
翌2012年モデルより「WLI」は板状の脚を持つ現行モデルにチェンジしました。
93年以降の「WLI」シェイカージェットモデルはフューエルラインが太くなりジェネレーターチューブのループもさらに太くなっています。
それに伴いフレームリフレクターの穴は曲線を描く大きなものになりました。
フューエルラインも時代と共に長くなっています。
「WLI」はシェイカージェットになる頃と2000年代、「WL」も2000年代に長くなったようです。
シェイカージェット以降「WL」と「WLI」とでは長さが異なります。
「WLI」の現行モデルはさらに長くなっているようです。
私、個人的には短いフューエルラインの『こじんまり』とした感じが好きです・・・・
「WLI」はフューエルライン内部を通るカットケーブルも太くなっています。
シェイカージェットにモデルチェンジした頃からだと思います。
カットケーブルは安定した燃料の流れ、燃料に含まれる不純物等の除去やライン内部のクリーニングをする役目もあります。
2004年頃ポンプの構造変更に伴い、ラインとポンプをつなぐキャッチアームの形状も変化します。
「ウィスパーライト」シリーズ、ポンプの移り変わり。
〈イエロー〉~〈グレイ〉~〈グレイ/レッド2トーン〉~〈現行〉・・・こういう順番です。
燃料を吸い上げるチューブに装着されるフィルターの新旧比較。
下が現行のポンプ、プラスチック製です。
上はグレイポンプと2トーンポンプのものです。
新品購入時には付属されていましたが、別体だったため装着しなかったり、紛失してしまったりと・・・
装着されていないポンプも多いようです。
よほど汚れのひどい燃料を使わないかぎり問題はありませんけどね。
「WLI」初期、メンテナンスキットの内容物です。
モデルごとにパッケージされて販売されています。
これは「WL」90年代初期のメンテナンスキット。
イエローポンプ用のエアチューブもセットされています。
90年代後期の「WLI」シェイカージェットのキット。
2003年度の新製品、オシャレなケースになりました。
新型ポンプ発売前のキットなので旧ポンプ仕様です。
左の小振りなケースは「アニュアルメンテナンスキット」。
最小限の簡易キットです。
画像のは現在使用中のものなので中身は様々なものが混在しています・・・・
MSRストーブの本体は壊れるところは少ないのですが、ポンプ部のOリングはこまめなチェックが必要です。
スペアのOリングは常に持ち歩くことを強くお勧めします。
メンテナンスキットはパーツの移り変わりがわかるのも楽しみの一つです。
モデルチェンジや製造の打ち切りなどでパーツの供給がなくなることもあります。
無駄にならない程度に買い揃えるのも必要かもしれません・・・
・・・・私は無駄なものが多すぎる・・・・・
現在の代理店「株式会社モチヅキ」さんではパーツの単品販売も行っているので必要な部分だけでも購入できます。
こちらから
↓
https://www.e-mot.co.jp/shopping/
ウィスパーライトのウィークポイント・・・・・
ワイヤーレッグはある日突然溶接がはがれます・・・
残骸です!
針金で縛って使ったり・・・
溶接屋さんに頼んで修理してもらったこともありますが、一ヶ所500円・・・・
悩みました・・・・新品だとセットで2000円弱・・・・・・
ウィスパーライト初期の封筒型のケース。
黒と赤もあります。とても簡素なつくりです。
黒はこんな感じ・・・
これは80年代「XGK」用のオプションです。
80年代末~90年代初期のスタッフサック。
巾着型です、マチも大きく内部には小さなポケットが4ヶ所あります。
とても良いつくりです。
ストーブに付属されたオプション案内を見ると「ストーブバッグ」と「デラックスストーブバッグ」があったようです。
おそらく・・これが「デラックス」・・だと思います・・・
この当時は標準装備ではなくオプション販売でした。
90年代中~後期、「WLI」Combo(コンボ)のスタッフサック。
コンボは燃料ボトルがセットになった特別仕様?です。・・・「お買い得セット」ですかね・・・・
通常モデルのものより1.5倍ほど大きい袋です。
燃料ボトルも一緒に収納することができます。
レギュラー商品ではありませんが、最近でも時々見かけます。
この時期からスタッフサックは標準装備となりました。
これは現在装備されているスタッフサックです。
2000年代になる頃から現在のロゴマークが使われています。
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今回はワイヤーレッグ(針金脚)モデルに焦点を絞りました。
性能的には新しいほど良くなるのは当たり前ですが、”機能美”と言う点では古いモデルに軍配が上がる・・・そんな気がします・・・・
「ウィスパーライト」ホワイトガソリンモデルはデビュー当時の雰囲気を残したまま現在も販売を続けています。
「インターナショナル」に比べ人気はイマイチのようですが『ケロシンは使わないよ』って方にはお勧めです。
ただ、「インターナショナル」との価格差が1500円ほどなので今後「存在価値」?という懸念もあります・・・・・
ワイヤーレッグファンとしてはいつまでも存続してほしいモデルでもあります
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MSR製品の場合新製品として登場する年とカタログに掲載され販売開始される年は同じではないことが多いです。
曖昧ですが『頃』・・という表現が多くなってしまいました・・・・・
まだまだ勉強不足で不完全な内容ですが、忘れないための、文字通り「備忘録」なので今現在考え付くことをまとめてみました。
追記や訂正なども思いついた時に記していこうかと思っています。
参考程度と・・緩やかな気持ちで御覧いただけたらと思います。
それでは・・・また・・・
White Queen (As It Began) Live 1975「 Queen 」
2015年12月25日
MSR Trillium Stove Base
【MSR トリリウムストーブベース】
久々のMSRネタ・・・今回はトリリウムストーブベースです。
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リリースは80年代中期頃だと思います・・・・
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「ウィスパーライト」系・・・・外側3箇所の爪で固定します。
同じワイヤータイプのレッグを持つ「ラピッドファイヤー」にももちろんフィットします。
「ファイヤーフライ」ではサイズが合わないので残念ながら装着は出来ません。
「#9」~「XGK2」系はこんな感じ・・・・・
内側の爪でボトムプレートを押さえます。
古いモデルではベークライト製、比較的新しいモデルではアルミ製のボトムプレートですが、どちらにも装着可能です。
「ドラゴンフライ」がリリースされる98年モデルからデザインが変更され、一部が丸穴から変形穴に変わりました。
この変形穴は「ドラゴンフライ」をはじめ「WLインターナショナル(新型)」「WLユニバーサル」にも対応します。
「シマーライト」「ウィンドプロ」はこの赤丸部分の丸穴を利用します。
「XGK-EX」では意表をついた感じ?で装着します。
・ ・ ・ ・ 宙に浮いたように見えます。
ストーブ本体のレッグ部のギザギザにストーブベースの爪を差し込む感じに引っ掛けます。
一見すると頼りない感じに見えますが・・・わりとしっかり固定されます・・・!?
重量は80g、アルミ製で一部にブラスを使用しています。
1/3の大きさに収納できることもセールスポイントのひとつです。
雪上、草地、砂地、砂利、岩場等、不整地や傾斜地での使用でストーブを安定させてくれます。
鍋などをひっくり返す危険が減少されます・・・・これ・・とても大事・・・・・・
地べたで使う人には心強い道具だと思います・・・!!
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今年も一年お世話になりました、ありがとうございます・・・来年もよろしくお願いいたします。
それでは皆様 ・ ・ 良いお年をお迎えください!!