2024年08月14日
Trangia Frypans
【トランギア フライパン】
こんにちは。
今回はトランギアの少し古い時代のフライパンを、いつものようにざっくりと考察してみようと思います。
その他の関連するモデルもカタログ情報を交えて紹介します。
1925年トランギア社はアルミ製の家庭用調理器具メーカーとして創業します。
1930年頃にはキャンプ用調理器具の生産も本格的になるようです。
創業間もない1926年のカタログにはすでにキャンピングセットNo.24の原型となるモデルが掲載されています。

現在のキャンピングセットNo.24
画像のフライパンはNo.725‐20* 直径は20cm。テフロン加工**と赤い塗装が施されています。
巷では『赤トラ』と呼ばれるモデルです。
ハンドルは固定された折り畳み式です、コンパクトにはなりますがスタッキング性はあまり良いとは言えないかもしれません。
1985年、岩谷産業株式会社とPRIMUS社の合弁会社「イワタニプリムス社」が設立されますが、程なくTrangia製品も扱うこととなるようです。
Trangia製品は2000年代初期までイワタニリゾート社のカタログに掲載されていました。PRIMUS製品のイワタニプリムス社とは区別されていたようです。
赤いモデルは80年代末頃から90年代初期に販売されます。
この時期の赤いフライパンにはほかにも直径22cmのNo.725‐22と、フタ付き深型で直径20cmのNo.726 (グルメ)がありました。
No.725はノンスティック加工されたもの、無垢のアルミモデルNo.724もあります。
*イワタニプリムス(リゾート)でのトランギア製品はTR-で始まるカタログ番号で表記されています。例えば上記の場合 TR-725-20 となります。
**トランギアのノンスティック加工はテフロンと表記する時代もありましたが、現在は「ノンスティック」とだけ表記されます。
91年
トランギアのフライパンはとても種類が多いのですが、その多くはクッカーとセットされたものでした。
クッカーにセットされたフライパンにはハンドルが様々なものがあります。
グリップハンドル、固定ハンドル、そして着脱ハンドルなどです。
着脱ハンドルにもフック式、ワイヤー式などがあります。
スタッキング性が考慮されています。
一方、単体で販売されるフライパンはハンドルが固定されたものが多いようです。
この時期に日本国内で販売されたフライパンは赤く塗られたものだけでした。
少し遅れて販売されるストームクッカーも赤いフライパンがセットされます。
94年、赤いトランギア最末期のカタログです。
単品で販売されるフライパンはNo.726(グルメ)だけになっています。
同時期のケトル。 左 No.324T 右 No.325T
「開口部が大きく、テフロン加工も施されているので鍋としても・・・」と以前紹介したことがありますが、私は湯沸かしでしか使ったことがありません。
料理がこびりつかない、手入れが楽というのが特徴のノンスティック加工ですが。
アルミ特有の黒ずみや錆び(孔食など)も表面の塗装も相まって、あまり気にすることなく使えるのも魅力です。
ノンスティック加工は空焚きしないこと、硬いものでこすらないことなどで長く維持することができます。金属製のヘラなどは厳禁です。
ジュニアクッカーNo.224 ボーイスカウト活動などの個人装備モデルです*。
フライパンは16cm ポットは1リッター
90年代初期、イワタニプリムスからは2263ストーブをセットした「Duo」モデルとして販売されていました。 ずいぶん前ですが、このブログで一度記事にしたことがあります。
固定式のハンドルは折り畳むことができます。
ハンドルの形状が何度か改良されているようですが、1930年代初期から90年代まで60年以上にわたって販売されています。
デビュー当時から基本的な部分はほとんど変わっていないようです。
なので、クラシカルな雰囲気も持っています。
無垢のアルミはやっぱりカッコいいですね。
このハンドル、初期にはスライド式のワイヤー、後に現在と同じような形状の丸穴のない(肉抜きされていない)ものなどもあります。
*スカウト活動などの個人装備モデルは、このNo.224と同時期に販売が開始されるメスキットNo.124もあります。No.224は90年代中期に姿を消しますが、No.124は今でも販売が続けられています。

メスキットNo.124 基本的なデザインは90年以上変わっていないようです。
右にあるフライパンはNo.628Tクッカーセットのものです。
フライパン18cm・ポット2リッター・ケトル0.9リッター がセットされたものです。
着脱式のフックハンドルを使用するタイプです。
この個体にはテフロン加工と黒っぽい塗装が施されていますが、無垢のモデルもあります。
イワタニプリムスからはシングルバーナーがセットされた「Trio」*というモデルで販売されていました。
このクッカーセットは、現在も本国での販売が続いています。
*「Trio」とNo.628クッカーシリーズではケトルにのみ違いがあります、おそらく「PRIMUS」用特別仕様なのだと思います。2243ストーブをケトルのフタに固定して収納できたためです。
トランギア製品はモデルチェンジが少なく息の長いモデルが多いです。
使いやすくするための改良は行われているようですが、基本的な部分は良い意味で変わっていません。
フタが簡易的なフライパンとしても使えるメスティンですが、オリジナルモデルであるハンドルの付かないNo.212は70年以上、少し遅れて登場するラージサイズNo.211も65年以上姿を変えていないようです。
イワタニプリムス社のウェブサイトでは「1970年代にメスティンの生産が始まる」と紹介されているようですが、No.212は遅くても1950年、ラージNo.211は1957年、ハンドルが付くようになるNo.210は1969年にはそれぞれカタログ掲載されています。
そんな変化の少ないトランギア製品ですが、時代による仕上げの違い、刻印されるマークの違いなど、鍋好き、アルミ好きには「たまらない魅力」があります。
こんなスペシャルな販売もされています、すべて当時の物、在庫限りのようです・・・
https://trangia.se/en/product-category/vintage/
Trangia社と歴史の共有ができる人に購入してほしいようです。
この記事を書いている時点では、ソープボックスと丸いメスティン、ランタンが売り切れになっています・・・丸いメスティン欲しかったなぁ・・
倉庫に眠っていたもののようですが、古い時代の製品がポリッシュされていることがわかりますね。
No.324 0.8L
No.324は1930年代中期に登場し、フタのつまみ部分やハンドル形状の変化、ハンドルカバーの装着などを経て60年代中期まで販売されているようです。
その後、No.324は現行のモデルに引き継がれますが、そのデザインは現在国内ではオープンファイヤーケトルとして販売されているものが原型かと思います。
原型と思われるコーヒーポット(ケトル)No.824も70年以上基本的なデザインを変えていないようです、当時販売されていた鍋に収納できるようスリムな形状になったようです。当時のモデルは0.8Lと少し小さ目。

現在のNo.824 0.9L 国内で流通しているモデルとはフタのつまみが違います。
フタのつまみがステンレスのモデルはNo.924ですが、イワタニプリムスから販売されているモデルはTR-OF324のカタログ番号です。
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現在、国内では数種類のフライパン(ケトル)がラインナップされています、用途やスタッキングに合わせて選ぶことができます。
https://www.iwatani-primus.co.jp/products/trangia/kettles-cookers/index_cooker.html
来年2025年はTrangia社創業100周年です、どんな記念モデルが販売されるのでしょうね? そんなのも楽しみにしています。
*イワタニリゾート社さんのカタログ、Trangia 社の資料を参考にさせていただきました。感謝。
それじゃぁ・・また・・
Lucky Man Emerson, Lake & Palmer 1970
☮️
2018年04月24日
Camerons Products 「Li'l Smokey」
【キャメロンズ スモーカー】
米国「Camerons Products」 のスモーカーです。
十年ほど前の「A&F」さんのカタログです。
この時期に販売されていた製品は風防スタンドと固形燃料缶ホルダーがセットされていました。
製造は中国で行われたようです・・ラフな仕上げが目立ちます・・・
最近のものとは若干作りの違いが見られますが・・・改善されているのでしょうかね?・・・
こんな感じで本体下のスタンド内に固形燃料をセットします。
現在販売されている製品にはおまけのチップはひとパックですが、この当時はふたパックのおまけがついていました。
コンパクトに収納することができます。
天気が良かったので隣町のキャンプ場へ一式持って出かけてきました。
食材とスモークチップをセットしたら煙が出るまで加熱します。
煙が出たらふたを閉めて、後は時々スモーク具合をチェック。
のんびりとコーヒーなんぞを飲みながら・・・・・
およそ・・10分後・・・
大体?・・20分後?・・・煙が出なくなるまでやってみました。
これくらい色づいたほうがしっかりとした味になると思います・・・好みにもよりますね・・・・
今回は「alder 」チップを使用しましたが、いろんなチップで味の違いを楽しんでみるのもいいですね。
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さて・ ・ ・ 次の食材は何にしようかなぁ ・ ・ ・ ・
矢巾キャンプ場
11歳になりました!!
Good Morning Little School Girl Ten Years After 1975
それじゃあ・・また・・

タグ :燻製
2018年03月07日
MIRRO aluminum cup
【MIRRO アルミカップ】
こんにちは ・ ・ ・
今回は「MIRRO」のアルミカップを紹介したいと思います。
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何の変哲も無いただのアルミ製のカップです・・・・
大きさは12オンス、およそ350ccほどの容量です。
1970年代にリリースされる「MSR」ストーブに標準装備されたりもしていました。
針金製の五徳がザックやバッグのなかで暴れて『悪さ』をするのを防ぐためのカバーとして装備されたものと思われます。
たまたま、サイズがちょうど良かったからなのかな?・・・と思います・・・・
初期モデルの「#9」から上の画像にある70年代末期の「GK」モデルの頃までカップ底には何の刻印もありませんでしたが・・・
70年代末期以降からカップ底には「MIRRO」の刻印が施されます。
この後、スタッフバッグの装備(販売)や五徳の改良などに伴いカップの装備はされなくなります・・・・
80年代A&Fさんのカタログです。
日本のアウトドアギアの発信源でもありますね。
「キャンプカップ」 2個セットで販売されていました。
80年代(86年)「MIRRO」社から「OPENCOUNTRY」ブランド(製造・販売権)を引き継いだ「The Metal Ware Co.」のカップも同じデザインで販売されています。
画像右側が「The Metal Ware Co. OPENCOUNTRY」のカップです。
大きさ、デザインは同じですがハンドルの取り付け方法、仕上げなどに違いが見られます。
カップ底のロゴマークなどは省略されています。
「MIRRO」 リベット止め
「OPENCOUNTRY」 溶接
「MIRRO」 ポリッシュ仕上げ
「MIRRO」のカップは使い込んでいても鈍い輝きを残します・・・
使い方にもよりますけどね・・・・
「OPENCOUNTRY」 ポリッシュ無し
コストの掛け方は時代の流れなのでどうしようもないですね・・・
それでも「OPENCOUNTRY」はMADE IN U.S.A・・にこだわった製品づくりをしています・・

ただ、残念なことにこの「OPENCOUNTRY」のカップもクッカーなどと共に生産を終了してしまったようです・・・・?
同社(The Metal Ware Co.)のサイトではわずかな種類のクッカーが在庫を残すのみ・・のようです?
http://www.opencountrycampware.
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熱い飲み物は苦手です・・・くちびるをヤケドさせてしまうかもしれません・・・・
それでも・・フーフーしながらコーヒーなんかをすするんです・・・・
涼しい顔で気取ってみても良いかもしれません・・・・
冷たい飲み物はもっと冷たく感じます・・・・
その素朴な作りは古き良き時代の雰囲気を十分に感じさせてくれます。
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おしゃれで機能的なカップがあふれている昨今、こんな『時代遅れなカップ』は消え行くのみ・・・
・・・・なのでしょうね・・・
それじゃあ・・・また・・