2017年12月08日
古(いにしえ)の燃料ボトル
液体燃料の火器を使用するには必需品の燃料ボトル。
最近はストーブメーカー各社のものが多く販売されていますね。
デザインも良いので物欲をそそります・・・
以前はスポーツメーカーや「SIGG」などを始めとするアルミメーカーなどが販売するものが多かったと思います。
今回は古い時代の燃料ボトルをいつものように『ザックリ』と紹介したいと思います。
「MARKILL」 ・ マルキルマチック ドイツ製
キャップに保護された内側にスプリング式のバルブがありレバーを押している間燃料が出る仕組みです。
トランギアのボトルも似たような感じですね。 *トランギアのボトルはガソリンNGです。
キャップにはレンチの役割もあり、内側のバルブとの凸凹を組み合わて回すことで、しっかりと閉め込むこと、そして取り外すことができます。
通常ボトルの2倍以上の強度を持つ・・・と言うのがこの時代のボトルのセールスポイントでもありました。
BBLC ビアボトルロッキングキャップ
国内では70年代初期から流通していたと思います、「ニチレイスポーツ」「美津濃」などが取り扱いをしていました。
当時は「ワンタッチキャップ」あるいは「ビービーエルシー」とそのまんま呼んでいました。
「グランテトラ」などの同じタイプのキャップを「ワイヤーロッキング」や「スプリングキャップ」と呼ぶこともありましたが・・・
『針金のヤツ(ふた)』・・・が一番わかりやすい気がします・・・・・?
古い時代のキャップは無地でしたが、いつの頃からか?飲料ボトル用キャップにはロゴマークが入りました。
「 Jünger・ユンガー」も同じ規格で製造していましたが、何故なんでしょうね?・・・
・・・・・両社ともに食器や水筒などを軍に納入していたので、軍規格が関係しているのかもしれません・・・・・・・??

1979年 ニチレイスポーツの広告
スクリューキャップのボトルが登場しています。
80年代の燃料ボトルのラインナップ。 1984年 「ニチレイスポーツ」カタログ
「CAVOG カボック」 こちらもドイツ製です。
戦前モデルは画像のようなデカールが張り付けられただけですが、戦後には「MADE IN WESTERN GERMANY」の刻印がタンク底に施されます。
スチール製で燃料の出し入れ口、キャップはブラス素材です。
給油口にはメッシュのスクリーンが取り付けられています。
国内では1970年代、0.5リッター、0.75リッター、1リッターがラインナップされていました。
薄型で携帯性が良かったのでバックパッカーに人気がありました。
1970~80年代、ニュートップ社(東京トップ)から販売されていたガソリンコンテナは「CAVOG」が原型だったと思われます。
「オプティマス」のボトルです。 1984年 「テムポ化学」カタログ
アルミ素材です。
これは飲料用の青ボトル1リッターですが燃料用は色が赤になります、誤飲を防ぐためですね。
年式によってキャップ周りの仕様が違っています。
東京トップ 1960年代と思います。
スチール素材にメッキが施されています。
まん丸で一見水筒のようです。
給油口です。
キャップのパッキンはコルクが使用されています。
TOPの刻印と下の画像はガス缶との大きさの比較です。
この当時ブラス製の円盤型燃料缶も販売されていましたが・・・資料を見つけることが出来ませんでした.・・・・
ほかにも古くは70年代の「Campway・キャンプウェイ」、わりと新しいところでは「Nalgene・ナルゲン」などの米国製樹脂ボトルもありました。
何故か?・・・「Campway」(たしかそうだったはず)のキャップだけがこんなに・・・・・・
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燃料ボトルって男心をくすぐりますよね・・・・??・・
Thanks ・ ・ ・ ・ ・ Malcolm Mitchell Young ・ ・ ・ ・ ・『安らかに・・・』 ・ ・ ・

それじゃあまた・・・・・

2016年10月31日
メタ燃料・・・スイスメタ・・・・・・メタクッカー
【メタ燃料・スイスメタ】
クッカーの燃料、液体ストーブ等のプレヒート剤としてチョッと?前までは無くてはならない存在でした。
現在もチューブタイプや「エスビット」などが流通していますが・・・・
今回は少し古い製品を紹介したいと思います。
スイス「LONZA・ロンザ」社「META」
メタと言えばまず思い浮かぶのはこれ・・・「スイスメタ」・・
成分は「メタアルデヒド」・・メタノール(メチルアルコール)ではありません。
元々はナメクジやカタツムリの駆除剤として開発されたそうです。
1970年代には「HOPE」社が扱っていましたが後に「渡辺化工」が販売、そして製造まで手がけるようになったようです。
40個、20個、10個・・・と時代と共にパッケージされた個数が減っていきました。
販売が終了してからもう随分経つようです。
*渡辺化工・・・現在はホワイトプロダクト株式会社
「渡辺化工」製
このパッケージは1960~70年代の製造だと思います。
ブリキ製の簡易五徳が付属しています。
画像下に見える細長いのがそうです、Z型に折り曲げて使用します。
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1966年(昭和41年)の広告です。
同社は1949年(昭和24年)国産初のアルコール固形燃料を製造販売したそうです。
「Esbit・エスビット」
皆さんご存知の「エスビット」。
上の画像のストーブ、タブレットはともに古いモデルです。
燃料の成分は「ヘキサミン」・・・・*ヘキサメチレンテトラミン
現在もっとも目にするタブレット型燃料です。
「オプティマス」 チューブメタ
古くは「ロンザ社」製などもありましたが、これ↑は1990年代「スター商事」により日本国内で製造販売されたものです。
キャップの色が違うのは販売時期によるものだと思われます・・・・?

「ホワイトプロダクト」
現在購入できるチューブメタ。
成分はエタノール。
ロングセラーな製品です。
「テムポ化学」社
1980年代初期のカタログです。
クッカーや燃料も充実しています。
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チューブメタはストーブのプレヒートや焚き火の着火剤に・・・・・
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タブレット型のメタは携行性に優れ長期保存にも適しています、水に濡れても着火するので調理やストーブのプレヒートはもちろん、非常用に備えていても良いと思います。
おしまい・・・・

2014年12月24日
EPIgas 質実剛健 英国魂

【MICRO SUPER LANTERN AUTO】 【BPSA】
【EPIgas・イーピーアイガス・・黎明期~90年代】
1970年代に登場する「BP・コンロ」・・・・
英国「Taymar」社のブランド「EPIgas」を代表するシングルバーナーストーブです。
誕生から40年を経ようとする現在も「BPS-3」としてラインナップが続いています。
国内では1978年から輸入販売されていたようです。
「BP・コンロ」・・バックパッカー(バックパッキング)コンロと言う名前からもコンパクトで携帯性に優れたモデルだったことが伺えます。
同時期、大型の五徳を持つ「PS・コンロ」・・ピクニックコンロもありました。
カートリッジに自動開閉バルブを組み込むことにより、ストーブとの自由な着脱を世界で初めて可能にしたのは「EPIgas」と言うことです。


90年・・「アルパインストーブ」と当時としては超小型?「マイクロスーパーコンロ」がデビューします。
「アルパインストーブ」・・分離型ストーブとしては日本で初めてガス検*に認可されたそうです。
*ガス検=日本ガス機器検査協会
87年、「PS」、「BP」コンロに微妙な火力調整が可能な「マイクロアジャスト」機構のバルブを持つモデルが登場します。「ピクニックコンロ」は五徳が随分と小さくなりました。
その後、両ストーブにオート点火装置が付いたモデルもラインナップされます。
「BP」~「BPS」~「BPSA」とモデル名も変化していきます。*「PS」コンロも同様です。
「EPI」は当時『ストーブ』とは呼ばず『コンロ』と呼んでいたようです。
「アルパインストーブ」だけはなぜか?デビュー時から『ストーブ』と呼んでいます・・・・?
「キャンピングガス」なども『コンロ』と呼んでいましたね。

87年にデビューした小型のランタン・マイクロアジャストモデル、「BPランタン」。
その「BPランタン」を軽量化した後継機「マイクロスーパーランタン」も90年の新製品です。
中型モデル「LFA」は『リキッド・フィード・アンチフレアーバーナーシステム』*と言う装置が付きますが、それがそのままモデル名になったようです。
*気化促進のためのパイプがバーナー付近にあります。

1978年、当時の代理店「ミヤコスポーツ」が輸入開始した年、最初期のラインナップです。
「BP・コンロ」は鍋と風防を兼ねるステンレスケースが、さらにストーブ2機種にはカートリッジを輻射熱から守るカバーが装備されていました。
この時代のコントロールノブは三角っぽい形です、87~8年頃を最後にこのノブは姿を消します。
ステンレスケースは80年代末、カートリッジカバーは80年代に入ると間も無く装備されなくなったと思われます。
ランタンは1機種のラインナップでしたが「BPランタン」の登場で姿を消していきます。
代理店は後に同じ系列会社「ユニバーサルトレーディング」に移ります。
94年からはそれまでの英国製から「EPIgas」のブランドを獲得した「ユニバーサルトレーディング」社のもと、日本国内での製造が行われる事となりました。
英国で製造されたものは「Taymar」社を買収した「Coleman」のブランドで販売されることに・・・・・・・

伝統と格式を重んじる英国製らしく、基本的なデザインの変更が少なかったこと、その落ち着いた風貌も魅力のひとつでした、反面、機能性は年々向上していったものと思います。
まさに「質実剛健」・・・と言ったところです!!
登山家、極地への遠征隊等に好まれたのも信頼性の高さを物語っていると思います。
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「Made in Japan」となりましたが・・・・その血統は今も受け継がれています・・・・・・
おしまい
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*当時のカタログ等を元に個人的な感想などを交えています、参考程度と読んでやってください。