2021年12月29日
Coleman バルブホイールのスクリュー
【バルブホイールのスクリュー】
こんにちは。
今回は地味なパーツですが、奥の深い?・・バルブホイールスクリューの考察です。
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古い時代のバルブホイールは取り外しの出来ないものがほとんどでした。
1930年代に登場するUS製#242系は1950年の製産終了まで一体型を続けていましたが、共通するバルブを持つ後継機種のモデル#200は現在のような分離されたものになります。
ランタンでは1930年頃の#220系(#228)からバルブホイール、ディレクションディスク、スクリューの分離したパーツへと変化しました。
最初期#220Bでは大き目のスチール製の「マシンスクリュー」*です。
この時期のステムの先端は四角く、画像のディレクションディスクはブラス製です。
*「マシンスクリュー」=後述します。
1930~40年代までの#236(#237)もスチール製の「マシンスクリュー」が装着されています。
古い時代スクリューのみの部品供給はされていなかったようです。
スクリューが部品としてパーツカタログ及び取扱説明書に掲載されるのは1940年代になってからです。
それまではこのスクリューだけを必要とすることが少なかったのだと思います。
多くの場合アッセンブリィでの交換が当たり前の時代だったのかもしれません。
コールマンのサービスセンターやディーラーが全米各地にあったことも一因かと思います。
不具合があればそこに持ち込むことが出来ました。
古い時代の#220系、#236(#237)等に装着される大き目のスクリュー。
右にあるのは後に装着され現在にも続くサイズのスクリュー。
スクリューは何度かの仕様変更がされていますが、US製とカナダ製では時期が違っていたり、規格も同じでないものもあるようです。
1960年代中期以降多くのコールマン製ランタン(ストーブ)はそれまでのブラス製からスチール製の「セルフタッピングスクリュー」に変更されています。
「セルフタッピングスクリュー」はブラス製のバルブステムを削りながら新しいねじ山を作るので、多少ピッチが違っていても装着する事が出来ます。
一方、「マシンスクリュー」はバルブステム側にも同じピッチのねじ山が切られています。*ボルトとナットの関係です。
「セルフタッピングスクリュー」に比べ精度が高いつくりになっています。
ブラス製「マシンスクリュー」 #17-058 もしくは#1098-0005
この2種のパーツは素材、ニッケルメッキ仕上げ、ピッチ共に同じです。
ピッチ=#4―36x1/4”
1930年代#220B(#228B)の後期モデルの頃から装着されるようです。
*戦時期(1940年代)には素材がスチールのものがあります。
1950年にリリースされる#200もこのスクリューです。
1960年代初め#17-058から#1098-0005へと移行します。
#17-058は古い時代のカナダモデルにも装着されています。
1960年代中期丸い頭のスチール製「セルフタッピングスクリュー」に仕様変更されます。
パーツ#1198ー0011
ピッチ=#4―40x5/8”
カナダモデル#635や#335等にも見られる頭の丸いスクリューは一見ブラス製と思われがちですが、このタイプのスチール製スクリューが装着されています。
カナダ製スクリューのカタ番及びピッチは不明ですが「セルフタッピングスクリュー」なので互換性があります。
丸い頭から平らな頭になる過渡期のスクリューです。
丸みのある扁平な頭・・おそらく・・・#220-175 ・・・
上で紹介した#1198-0011 とはピッチが違います。
ピッチ=#4―40x5/16”
1969年頃からは#220B175 平らな頭
#220-175 と同じピッチです。
左から
ブラス製 丸頭「マシンスクリュー」 30’s~64~5年
スチール製 丸頭 64~5年~66年頃
スチール製 丸みがかった平頭 66年頃~69年頃
スチール製 平頭 69年頃~83年頃
上記のスチール製はすべて「セルフタッピングスクリュー」です。
縦に入る深い刻みが特徴ですが・・・
判別は磁石を当てるのが確実です、装着したままで確認できます。
*画像の赤いバルブホイールはスクリューの年代とは直接の関係はなく、比較しやすくするためのものです。
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前述しましたが「セルフタッピングスクリュー」はそれまでのステムのねじ山を削りながら新しいねじ山を作ります、汎用性がある反面無理にねじ込んでしまったステムにはブラス製のスクリュー「マシンスクリュー」はスムーズな装着が出来なくなると思います・・・・とりあえず固定は出来ると思いますが・・・・・
ネットなどでは1971年云々という情報も見受けられますが1964~5年がスクリューの変わり目だと思います。
バルブホイールのつくりの違いはアテにはならないかもしれません・・・・
長い年月の間には交換されているものもあるかもしれません、慎重な作業の必要な部分と思います。
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#220系・#200系・#236(#237)系・#335・#635・#502等多くのランタンそしてストーブはUS製、カナダ製ともに補修パーツは#220B175が指定されますが・・・現在コールマン社の部品供給は無いと思われます。
オリジナルパーツ、特に「マシンスクリュー」は手に入りにくくなっているのでなくさないようにしましょうね!
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販売されていた当時のパーツリスト、取扱説明書に基づいて記事にしました、パーツは仕様の変更がされると古いモデル用でも代替品として新しいパーツナンバーのものに随時変更されていきます。
特に60年代は短い周期で仕様変更されています、実際とは異なる場合もあると思います。
・・・参考程度としてご覧ください。
High Hopes David Gilmour - Pink Floyd
今年もお世話になりました、ありがとうございます。
2022年が皆様にとって良い年でありますように!!
それじゃあ・・また・・・
Posted by mariokeisuke at 09:00
│Coleman