2017年09月19日
Coleman Wartime Lanterns #220・#228
【Coleman ランタン 戦時モデル】
以前ミリタリー(GI)ランタンを紹介しましたが、今回はWWⅡ・戦時期そしてその前後の#220・228系を紹介したいと思います。
#220・#228シリーズは1928年*に最初の出荷がはじまり1983年に生産を終了しますが、戦時期のほんの数年の間にBモデルからBX~C~Dモデルとあわただしく?変遷を遂げていきます。
一見、ミリタリーモデルと思われがちですが、民生用として販売されていたようです、戦意高揚の想いも込められたモデルかと思われます?・・・・
日本国内では人気モデルの#200シリーズの影に隠れるような存在ですが、#220(228)はColeman社のフラッグシップモデル、「レジェンド」・・と呼ばれるシリーズです。
* 1927年から・・と言う説もありますが、記録によると#220は1928年5月に50台の初出荷、翌月(6月)に#228の出荷がはじまるようです。現在確認されている一番古いモデルは1928年3月製ということのようです。
左・#228 1928年5月 右・#228 1929年10月
左・#228B1930年9月 中・#220B1935年2月 右・#220B 1939年8月
#220B・#228Bは1930年から出荷がはじまります。
#220B・#228B、戦時期のカタログ(リーフレット)です、『陸軍と海軍の厳しい要件を満たしている・・・』と紹介されているようです。
同時期の#242Bもメッキタンクではなくペイントタンクです。
1942年11月 #220BX
BXモデルは1942年、それまでの「B」モデルをモディファイしたものだと思います。
上の画像は「GI」仕様にコンバートされた#220BXです。
詳しくは以前の記事「ミリタリーランタン」編をご覧ください。
http://mowsuke.naturum.ne.jp/e2837960.html
1943年7月 #220BX
それまでの#220Bとの違いは、緑色にペイントされコーションデカールが貼られたスチール製のタンクをはじめエアインテークチューブ、バーナーチューブ、バーナーキャップ、ジャムナット、ボールナット、パックナット、チップクリーナーステムなど多くの部分がスチールに変更されています。
個体によってはパーツ構成が違ったりしています・・・・・
戦時下、ブラス(真鍮)やニッケルは重要な資源だったため統制されていたようです。
バルブホイールのセンター部分もスチールに変更されています。
ジェネレーターのチューブもスチールです。
ディレクションディスクです。
真ん中が#220BXのスチール製、左は#220B最初期に付いていたブラス製、右は一般的なアルミ製です。
ミキシングチャンバーです、ここもスチールに変更されています。
ポンプ部はチェックバルブ、エアステムの先端などわずかな部分がブラス製ですが、プランジャーをはじめ多くの部分がスチール製になっています。
バーナーチューブに取り付けられた六角のナットは本来素焼きのバーナーキャップが付いていた名残りかと思われます。
このランタン1959年にオーバーホールされておりバーナーキャップやジェネレーター、クリナーなどが交換されているようです。
修理を請け負ったのは「HYDRO‐CARBON LIGHT CO.」聞いたことがありますね・・・・
Colemanの前身もこんな名前でしたね・・・・
1943年8月 #220BX
1943年の一時期だけ特徴のあるフィラーキャップが装着されます。
雑な作りですが素材はブラスです。
ウィングタイプは以前からありましたが、なぜこの時期なんでしょうね・・・?
左から、1920年代中期#427等に使用されていたもの、同じく20年代末期#220・228・227等、一番右が#220BXに使用されているものです。
この時期タンクの底には「US」の刻印が押されています。
軍用ではありませんが・・・・・・いろんな意味(想い)が込められているのだと思います・・・・
軍用に転換することも想定されていたのかもしれません・・・
これも43年8月のBXですがセラミック(素焼き)バーナーキャップが残っています。
チープな作りなため耐久性は低いと思われるので交換されてしまったものが多いようです。
下の画像は1950年代の#200系に装着されていたセラミックバーナーキャップとの比較ですが#200系の方が断然丁寧な作りです、ブラスも使用した手の込んだ作りです。
同時期の#237Bもチープなセラミックバーナーキャップが装着されています。
六角のナットは割れやすいセラミックを締めすぎによる破損から守るためのストッパーと思います。
1943年 8月 #237B
同時期のケロシンランタン#237も1943~44年「B」モデルと呼ばれる戦時仕様となります。
バーナーフレームをはじめ多くの部分がスチール製となっています。
#220系と共通のタンクを使用するので43年製は「BX」と同じスチール製ですが44年製は「C」モデルと同じくブラスタンクのものもあるようです。
この画像では分かりづらいですがセラミックバーナーキャップが装着されています。
1945年5月 #220C
1944年のうちに#220Cに移行するようですが、44年製のモデルは少なく感じます、軍用モデル#252の製産が本格稼動していることも関係していると思われます。
「C」モデルになりタンクはブラス製に戻りました、他のブラスパーツも徐々に戻り始めています。
Coleman社はランタンやストーブなどの軍需品を製造するため原材料は優先的に供給されていたようです。
フィラーキャップやディレクションディスクも見慣れたものです。
タンク底には「US」マークが。
ミキシングチャンバーはブラスに戻されましたがバーナー周りはスチールのままです。
1945年8月 #228C
終戦の頃に作られた個体です。
#228のBXモデルは生産されていません。
この#220C・228Cからカラーにモデル名が刻まれるようになりました。
1945年11月 #220C
WWⅡは終戦をむかえタンク底の「US」の刻印がなくなりました。
この年、社名変更が行われますがそれに伴いタンク底の社名刻印も変更されています。
これ以降も戦時モデルは生産が続けられます。
東西冷戦の始まりも関係が有るのかもしれません・・・?
1946年 B #220C
この時期から製造月の表示はAかB、前半、後半に分けられています。
46年7月の刻印を持つ個体も存在するのでこれ以降からB期の刻印になると思われます。
A期=1月~6月 ・ B期=7月~12月
タンク底のデザインが変わりました。
フィラーキャップ、ポンププランジャーの質感が良くなりました。
ミキシングチャンバーの作りが変わります。
これは同時期のランプにも見られる変化です。
ダイキャスト(鋳物)からプレス製へとコストダウンと感じられますが・・・・
バーナー部をはじめほとんどの部分がブラス製に戻っています・・・・・
同時期カナダ製ランプのミキシングチャンバー・バーナー部です、#156・#157・#158などの一時期、米国製では#152などの一時期にも見られる特徴です。
ダイキャスト製とプレス製ミキシングチャンバーの比較。
このランタンが入っていた箱です。
「SEARS・シアーズ」から購入したようです、$9.45 の値札も箱のスミにありました。
1946年 B #228C
上記で紹介した#220Cと同じ製造時期ですが・・・・・
ラージタイプのバルブホイール ディレクションディスクの無いタイプです。
ポンプ部分もネジ込み式ではなくポンプキャップをかぶせるタイプです。
ミキシングチャンバーもプレスタイプが装着されています・・・・・・
デカールのデザインも変更されました。
BX~Cモデルのデカールです。
このデカールがなければ普通のランタンなのですが、このデカール一枚で雰囲気がまったく違って見えます。
タンク底の刻印は46-B
カラーの表記は「C」となっていますがこの後に登場する「D」モデルの特徴を多く持っています・・・過渡期のモデルのようです。
1946年B期の「D」モデルもあるのですが、1947年A期のねじ込み式のポンプ部を持つ「C」モデルもあります・・・・
モデルチェンジの頃には様々な特徴の入り混じったモデル、首をかしげる???なモデルが多数出現します、それもまた楽しかったりするのですが・・・・
この画像のランタンではペイントされたフィラーキャップが装着されていますが、この時期はメッキされたものが標準だと思います。
1947年 B #228D・#220D
どちらも同じ時期の「D」モデルです。
この時期にはパーツの違いは見られず安定期なのかも知れません・・・・
ミキシングチャンバーはこのタイプ。
バルブホイールはラージタイプ。
プランジャーは「D」以降に見られるキャップをかぶせるタイプです。
このモデルを最後に#220・#228系の戦時モデルは生産を終了するものと思います。
「D」モデルの「取扱説明書」です。
左は戦時モデル、右は通常モデルのものです。
通常モデルでは#220#228共用ですが、戦時期モデルでは#220#228それぞれ専用の「取り説」になっています。
この「取り説」に描かれたイラストを見るとバルブホイールは応急的なものではないことが分かります。
ただ、このバルブホイールは一年程?で姿を消してしまいます。
ポンププランジャーとチェックバルブ部の比較です。
上部の長いのが「C」モデルまでのもの、下部が「D」モデル以降のものです。
年式による材質や細かな仕様の違いはありますが、大まかにはこんな感じです。
バルブ部分です。
左から「B」初期~「B」改良型~「BX」~「C・D・E・F」・・*主に使用されているモデルです。
「B」モデルのバルブは何度かの改良が行われているため数種類のバージョンがあるようです。
特に初期型ではフューエルチューブ先端のフューエルチップにプロテクター&スクリーンが取り付けられ独特の雰囲気をもっています。
ニッケル部分が多いのも初期の特徴です。
どちらもBXに装着されていたバルブですが、右側は43年8月のものです。
とてもラフな仕上げです、比べてみると作りの違いが多いのが分かります。
#330グローブ
「BX」・「C」モデルはColemanロゴ、「C」~「D」モデルに移行する頃からサンシャインマークロゴが装着されると思われます。
1949年 A #228D
「D」モデルのメッキタンクは1947年A期からだと思います。
通常モデルではミキシングチャンバーもブラスのダイキャスト製に戻っています。
バルブホイールもディレクションディスクとセットされた通常タイプになっています。
ブラス素材にニッケルメッキされたタンクはこの「D」モデルが最後になりますが、「E」にモデルチェンジする過渡期(50年~51年)にはデカールの無いブラス製のペイントタンクも存在します。
その「E」モデル(51年~)から最終「K」モデル(~83年)はスチール素材のペイントタンクとなりました。 *「E・F・H・J・K」
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「E」~「K」モデルもいずれ近いうちに紹介したいと思っています・・・・・??・・?
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お ま け
戦時期のColeman社のオフィシャルな便箋です。
これは1944年1月のものです、社名は「The Coleman Lamp and Stove Company」。
1945年7月です、便箋は「The Coleman Lamp and Stove Company」ですが差出人のサインには「THE COLEMAN COMPANY,INC.」の社名がタイプされています。
この時期に社名変更が行われたようです・・・・
便箋の下部には軍を讃えるマークがプリントされています。
1945年8月 翌月には便箋の社名も「The Coleman Company,Inc.」に変わりました、製品とは違い公式の文書なので切り替わりは早いようです。
便箋には古い時代のサンシャインマークの「透かし」が入っています。
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長期に渡り製産されたモデルなので改良や原材料の変更など細かな仕様変更が繰り返されています。
同じ製造年月のモデルでも使われているパーツが違ったりしています・・・
長い間には交換された部分もあったりします・・・何が正しいかは誰にもわからないかもしれません・・・・・・
みんな同じように見えますけどね・・・・・・・・
私の主観的な想い、憶測の部分もあります。
資料が少ないため大雑把な紹介になりましたが、少しでも参考にしてもらえればうれしいです。
それじゃあ・・また・・

Posted by mariokeisuke at 08:00
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